<< 震災後初めての礼拝。 | main | コイノニアサポート まだまだ続くことになりました! >>

主に在る生きる望みを届けたい。

 
先週木曜日夕方遅く、石巻キリスト教会に近所の方からSOSがありました。

「一人暮らしのおじいさんを助けてあげて欲しい」

 

おじいさんの家は、教会の目と鼻の先、私たちが炊き出しの作業をしているキッチンの目の前の家でした。

数人が見に行ってみると、81才のおじいさんの家は、当然津波で浸水していたので、畳も洋服も家財すべてが濡れ、そのままの状態で生活し濡れた布団で寝ていたのです。

一度は避難所に行っていたものの、迷惑をかけたくないと自宅に戻って来たそうです。

ガラスは割れて、電気はつかず、湿った生臭い部屋で一月半もの間、誰にも気付かれることなく暮らしていたのです。

 

何とかしなければ・・・。

丁度私たち以外にウィクリフの宣教師のボランティアチームが、次の日の午前中11時半までの予定で石巻に泊まっていました。

時間がないので、そのチームは朝7時から作業を開始するとの事。OBCのチームは森郷キャンプ場に宿泊していたので、早朝6時と7時の2つのチームに分かれて出発しました。

いつもの通り三陸道の渋滞にはまり、6時発のチームがついた時には、畳が外され掃除が始まっていたそうです。

驚くほどの作業の早さ!実は、そのチームの殆どは若い大工さんだったのです。

(私達のチームだけでは、決して1日で終えられる作業ではありませんでしたし、配給もなく細かい予定も立てていなかったところに、神様がすべて備えてくださっていました!)

 

7時発のチームが辿り着いた時には、泥を拭き取る掃除までほぼ終わっていました。ウィクリフチームは時間が来て帰って行きましたが、またそこからが大変でした。おじいさんは固く心を閉ざしていて、こちらのしていることは喜んでいなかったのです。

おそらく震災後一度もお風呂に入っていなかったので、市の職員が来て避難所のお風呂に連れて行くといっても断固拒否。

 

1日がかりで、電気工事、割れた窓を塞ぎ、なんとか住める状態まで整えましたが、すべてを拒否していたおじいさんの為に、最後にどうやってベットと布団をセッティングするのか・・。

かけ付けて来ていた保健婦さん達にお願いして、おじいさんを家の外に誘い出してもらいました。

その間、みんなで一斉にベットなどを運び込んで、一気にセッティングをしていると、おじいさんが戻ってきてしまいました。

まずいな・・・。でもおじさんは私たちが用意した新しいスリッパを履き、部屋に入って新しい布団の敷かれたベットを見ると、それまでにはない満面の笑顔を見せてくれました。

 

本当にうれしそうな笑顔でした。

 

保健婦さんに聞いた話では、娘さんや息子さんが東京にいるのですが、震災後一度もおじいさんには会いに来れていないそうです。

 

震災で受けた恐怖、寒さ、電気のない暗闇、そして家族にあえない孤独。おじいさんの心が固く閉ざしてしまうのも無理はありませんでした。

おじいさんの大家さんの家もその他のまわりの家も良くみるとみんな留守で、津波が浸水したまま避難してそのままの状態の家ばかりでした。

 

明るく熱心に対応してくださっていた一人の保健婦さんに、「ご自宅は大丈夫ですか?」と訪ねると、「父も母も流されました」と。

その旨を伊藤牧師に伝えると、彼女達の為に祈ってくれました。突然のことでびっくりしてるんじゃないかと目を開けるとお二人とも泣いていました。

 

石巻の市内も徐々にお店が開き、日常を取り戻しつつあるように感じられ、先週は、物資を供給していた倉庫の方にも、「お店が開いているのにまだ物資が必要なのですか?」と言われてしまったそうです。

私たちも、目の前にこんなふうにおじいさんがひとり孤独に暮らしているなんて、まったく気がつきませんでした。

 

被災地での本当の戦いは、これからではないでしょうか。厳しく長い戦いです。

 

石巻キリスト教会では、先日イースター礼拝に40名前後の新来会者が与えられ、主のご臨在を喜びましたが、当然全員が被災者であり、伊藤先生始め教会のスタッフはみな、そこに与えられた責任の大きさを受け止めきれるか苦悩しています。

先生方ご自身もみんな被災者です。3・11の震災から全く休んでいません。余震も続いて血圧もあがっています。

肉体的にも精神的にも、いつか急にダウンしてしまうのではないか・・・。また神様が祝福されているなかにあるからこそ起きる霊的戦いも大きいです。

 

しばらくは、現地にいって直接ボランティアに入ることはできませんが、日々被災地に想いを寄せて、働かれる先生方の支えと、被災者おひとりおひとりに主に在る生きる望み、永遠の命への救いがあることを祈りつづけて行きたいと思います。

 

 

 

作業が続く室内を不安そうに見る木村さん(おじいさん)を和ませようとお話する伊藤牧師と保健婦さん達。

 

 



コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
profilephoto
calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
「自殺志願者」でも立ち直れる
「自殺志願者」でも立ち直れる (JUGEMレビュー »)
藤藪 庸一
神学校のクラスメートで、バレーボールサークルでたいへん世話になりました藤藪庸一先生の著作です。
 すばらしい働きに感心させられるばかりです。
recommend
Naima
Naima (JUGEMレビュー »)
Meg Okura
実妹:大倉めぐみの最新アルバムでございます。

 パガニーニのカプリースNo.24のラテン版等、「弾きまくり」作品等も含まれます。ピアノのMamikoちゃんのプレイも半端でございません。
recommend
【送料無料】ボーズ BOSE 502AW/1本 PanaraySRスピーカー
【送料無料】ボーズ BOSE 502AW/1本 PanaraySRスピーカー (JUGEMレビュー »)
青梅キリスト教会の新会堂に入るメインスピーカーがこちらになります。
recommend
 (JUGEMレビュー »)

なんとスティーブ・カトラゼク宣教師の50歳記念の青梅〜富士山の旅が4Pに渡って記事になりました。
recommend
The Romanian: American Jazz Suite
The Romanian: American Jazz Suite (JUGEMレビュー »)
Sam Newsome & Lucian Ban
義弟Sam Newsome のキューバンJAZZ作品です。最近はアンサンブルの物少なくなっていますが、やっていないわけではありません。作品発表の数は少なくありませんが、アンサンブル物で気軽に聴ける作品です。
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM
JUGEMのブログカスタマイズ講座